アトピー性皮膚炎は生後2~3カ月頃に顔から症状が見られることが多く、徐々に体や手足に広がっていきます。 特に肘裏、膝裏の関節部の症状が強く出ることもあり、慢性的に続いていきます。 10歳以上になると自然に軽くなる方もいますが、大人になってぶり返したり、上半身や顔の湿疹がなかなか良くならない方も見受けられます。
原因はまだ完全に明らかになっていませんが、下記の要素が関わっていることが見受けられます。
家族にアトピーの方がいる、皮膚のバリア機能の低下、外部刺激で湿疹を生じやすい
汗やほこり、ダニ、ハウスダスト、食物などのアレルギー
皮膚のバリア機能を保つために保湿剤、かゆみを抑えるためにステロイドの塗り薬を処方させていただくことが多いです。その他に症状に応じてプロトピック軟膏、コレクチム軟膏、モイゼルト軟膏、ブイタマークリームなどでステロイドではない外用剤でも治療を行っています。
夜かゆくて眠れない方は抗ヒスタミン薬を処方することもあります。
アトピー性皮膚炎の方は皮膚の乾燥症状のある方が多く、バリア機能が低下していると皮膚の中にアレルギーの原因となる物質が侵入し、かゆみ症状が悪化していきます。こまめに手入れをすることが大切です。
従来の治療で改善が乏しい場合は、当院では紫外線療法や生物学的製剤デュピクセント治療もおこなっています。
施術名 | 保険/自費 | 内容 |
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紫外線療法 | 保険 (3割負担で ¥1,000ほど) |
週に1~2回 お体の症状がでている部分に特殊な光を当てていきます。かゆみの原因となる免疫反応を抑制させることで症状を改善していきます。1回で改善は難しいので定期的な照射をおすすめしています。 |
デュピクセント | 保険 (高額療養費 制度) |
生後6か月から行える注射による治療法です。 定期的に注射を行うことでかゆみの原因となる部分を抑制させ、症状を緩和させます。いずれステロイドや飲み薬が不要になり、保湿剤のみの状態を保てます。 |
保湿剤やステロイドなど、処方された塗り薬をしっかりと塗ってください。
特にステロイドは部位によって強さのランクを分けています。
指示された場所以外には塗らないようにしましょう。
症状がひどいときは1日2回の塗布を。塗るときは擦り込んだり擦ったりせず優しく塗りましょう。
皮膚の汚れは症状を悪化させることも。
石鹸などを使ってお肌はきれいにしましょう。
洗う時はタオルを使わず手で洗うなど、摩擦を与えないようにしてください。
熱いお湯に長時間入ることでかゆみや赤みは悪化します。
基礎体温は36℃の方は40℃以上の入浴は避けてください。
掻くことで症状は悪化します。できるだけ掻かないように、塗り薬をしっかり塗り、それでもかゆい場合は保冷剤などでその部分を冷やしてください。
ヒートテックなど化学繊維のものはお肌に刺激を与えてしまいます。
肌着だけでも綿100%を選んでください。
自宅のハウスダストやダニの死骸などもアレルギー症状の原因となります。
お部屋はいつも清潔に保ちましょう。