皮膚の感染症には多くの種類があります。主な原因物質に分けて紹介をさせていただきます。
別名「毛包炎」とも言います。
毛穴の奥の毛根を包んでいる部分に傷ができて、細菌が感染し炎症がおきる症状です
毛穴があるところに赤い丘疹ができたり、時には膿を伴うこともあります。
押したときに痛みを感じることもあります。
症状によっても異なりますが、塗り薬を出すことが多いです。
感染が強くて症状が酷い場合は抗生剤の塗り薬を処方することもあります(抗生剤のアレルギーがある方は教えてください)。
原因菌は主に「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」などですが特定するために菌を検査することもあります。
また、皮膚の常在菌が増殖して炎症を起こしている場合は「マラセチア毛包炎」と言い、
マラセチアという真菌が悪さしていることもあります。
丹毒は高齢者や免疫力が低下している方に診られる症状です。
原因としましては「A型溶連菌」や「黄色ブドウ球菌」、「肺炎球菌」が原因で発症する細菌性感染です。
皮膚のバリア機能が低下したところから菌が侵入して発症するほか、手術あとの傷口や浮腫(むくみ)や糖尿病などの既往が原因になることもあります。
突然の悪寒、発熱、頭痛を伴って主に顔や足元にできることが多いです。
皮膚に光沢を帯びたり、隆起した赤いできものができ、正常な皮膚との境界がはっきりしています。
原因菌に合わせた飲み薬や塗り薬を処方することがあります。
炎症の度合いによっては炎症のレベルを見るために採血の検査や、原因となる菌を確かめる検査をすることもあります。
症状が酷い場合は点滴をすることもあり、大きい病院へ紹介する可能性もあります。
診察の上でご案内させていただきます。
丹毒と症状が似ていますが主に「ブドウ球菌」という菌が悪さをしている場合が多いです。
皮膚の真皮の深いところから皮下組織に細菌が感染する症状です。
水虫の症状がある方やその部分から感染することもあります。
主に症状が多くみられるのは四肢、特に足などです。赤みがでてもその境界は不明瞭で、腫れたり熱をもったり、痛みを伴うこともあります。
原因菌に合わせた抗生剤の飲み薬や塗り薬を処方することがあります。
炎症の度合いによっては静脈内注射や点滴の処置をいたします。
症状が酷い場合は大きい病院へ紹介する場合もあります。
毛穴にできる急性、深在性の毛包炎のことをいいます。なじみのある名前では「おでき」とも呼ばれています。
これが1つの毛穴に出てる症状でしたら「せつ」、複数の毛穴に炎症が起きているものがあれば「よう」と言われており、「せつ」と「よう」が混在していると「せつ腫症」といわれています。
主に黄色ブドウ球菌が原因菌として起きていることが多くみられています。
顔や背中にできたできものを手で潰したりすることでそこからばい菌が侵入し悪化する症状です。
最初は毛穴の炎症、毛包炎からはじまります。炎症や腫れ、浸潤し、毛穴の出口に膿で栓をされるようなできものができます。触ったときや、触っていなくても痛みを伴ったり、炎症が続くと軽い発熱を伴う場合もあります。
毛包炎が進行することで発症する為、早期治療が大切です。
隣接する数個の毛包が化膿し、鶏卵大~手掌大にまでの大きさになる症状です。
発赤、腫れ、浸潤性の膨らみを伴うこともあります。毛穴の個数に伴って膿様の栓が数個できることもあります。
症状が酷いと熱感や痛み、悪寒発熱など出てくることもあります。
せつが悪化することで発症します。
抗生剤の内服薬や塗り薬を処方することが多いです。
膿を出すことで症状が改善することもありますのでその場合は当院で処置する場合もあります。
ご自宅では毎日しっかりと洗浄し、清潔にすることも大切です。
皮膚のバリア機能や免疫力を保つことが大切です。バリア機能が保てていると皮膚に細菌が増えても感染症を起こす確率は下がります。
免疫力を保つために睡眠を良く取り、ストレスを蓄積しない様な生活を心がけましょう。
単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルスに感染すると発症する病気です。
一度感染すると生涯にわたって神経に潜伏します。
風邪をひいたり、疲れやストレスなどをきっかけに免疫力が低下し、ウイルスが活動することで症状が現れます。
単純ヘルペスにはⅠ型とⅡ型で種類が分かれます。
お顔に症状が出るヘルペスウイルスはⅠ方が原因と言われています。
このウイルスはお顔の神経、「三叉神経」に潜み上半身に症状がでるのが特徴です。
症状としてよく見られるのは唇や口周りに水泡ができる「口唇ヘルペス」です。
他に同じウイルスが原因になることで「角膜炎」や「歯肉口内炎」、「咽頭炎」、まえに「ヘルペス膿炎」などを引き起こします。
腰にある神経、「腰仙髄神経」にウイルスが潜んでいることで発症します。
下半身に発症するのが特徴で、臀部や大腿、肛門周囲に症状が現れることもあります。
口唇ヘルペスを発症している方とのオーラルセックスにより感染することで単純ヘルペスⅠ型による性器ヘルペスになる場合もあります。
「水疱瘡」や「帯状疱疹」もヘルペスウイルスの1つ、「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因で起こる症状です。
幼少期に感染した「水疱瘡」のウイルスが体の中に潜伏して、大人になったころに免疫力の低下や体調不良などをきっかけとして「帯状疱疹」になることがあります。
帯状疱疹が他のかたに感染したときに帯状疱疹として発症することはなく、水疱瘡の感染歴がなければ水疱瘡として発症することはあります。
ヘルペスは神経の病気です。神経に潜むウイルスを除去することはできませんが、内服でヘルペス症状の悪化を抑制させて症状を軽症化することができます。
処置が早いほど症状は軽く、回復も早まりますのでお早めのご受診をお願いします。
ヘルペスウイルスⅠ型・Ⅱ型による口唇ヘルペスと性器ヘルペスの治療法で主に処方させていただく方法です。
症状が起きてからご受診されるのではなく、症状がないときにご受診の上でお薬を処方いたします。
処方をする上で下記項目が当てはまれば処方適応となります。
通常口唇ヘルペスや性器ヘルペスは職症状出現後6時間以内にアメナリーフを1200mg(6錠)を食後に1回のみ内服します。
処方は月に1回のみですのでまたお薬がなくなったときにご受診いただく流れとなります。
診察の時にご相談ください。
ヘルペスの水ぶくれ症状ができた後にご受診いただく場合も主に内服薬の治療からとなります。
お薬が効果を発揮するのは神経や皮膚でウイルスが増えている間です。
症状が出ている場合できるだけ早くご受診の上内服をお願いします。
水ぶくれが治まっても神経の中ではまだウイルスが増殖している可能性があります。お薬は医師の指示通りに服用し、自己判断で服用方法を変えないでください。
治癒しています、と医師から言われるまでは通院しましょう。
体の左右どちらか片側に違和感やピリピリとした刺激感や赤い斑点、水ぶくれなどの症状が出てくる病気です。子供のころに水ぼうそうに感染したウイルスが体内の神経癤に潜伏しており、年月をかけて大人になって加齢やストレス、疲労をきっかけに発症します。 水疱瘡にかかったことがある人は発症リスクが高いと言われています。
60歳代を中心に50~70歳代に多くみられる病気ですが過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくありません。通常は生涯に1度と言われていますが、複数回発症することもあります。
神経に沿って帯状に赤い斑点が現れます。 時間が経過するとその部分に水ぶくれの様なできものも出てきます。 水膨れは破れてただれた状態となり、3週間ほどで瘡蓋へと変わります。
また、皮膚の違和感やピリピリとした神経痛も見られる場合があります。 痛みは皮膚の症状が治まるとともに消えていきますが、後遺症として痛みが残ることもあります。
合併症として発熱することもあります。 顔面に症状が出ている場合:目の角膜や結膜炎などの炎症を生じる場合もあります。眼科への受診も必要となります。 耳なりや難聴、口が動かしにくいなど顔面の神経麻痺を伴う場合もあります。
食欲減退したりする方もいますので場合によっては入院する可能性もあります。 その場合は大きい病院へ紹介をさせていただきます。
通常皮膚症状が改善すると痛みも消えますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたときに起こります。
1~5歳児に多く、成人の方でも発症する可能性がある病気です。 水痘・帯状疱疹ウイルスに初めてかかったことがある症状を「水疱瘡(みずぼうそう)」と言います。 春頃から初夏にかけて流行します。 一度感染するとウイルスは一生神経に住み着き、体の抵抗力や免疫力が低下した時に「帯状疱疹」となって発症します。
ウイルスに感染すると10~20日ほど無症状の潜伏期間があります。 お子様ですと軽度の発熱や不機嫌、食欲不振などが見られるので症状を見落とす可能性もあります。 その後紅斑や発疹、発熱などの症状が現れます。時間経過で水泡のようにもなります。 3~4日で水泡が潰れて瘡蓋になると治癒します。
症状の出現部位は体幹に多く、髪の毛の生え際にも診られます。手や足に症状が出るのは稀です。 ほか、口腔内、目元の結膜、角膜にも発症することがあります。
また、発熱がない場合もあれば、高熱が続く場合もあります。 大人になって発症すると重症化することが多いです。
空気感染/飛沫感染/接触感染/母子感染(胎内感染) くしゃみなどの飛沫感染が多いですが口腔内に症状がでていると特に感染力が強いと言われています。
解熱剤などの内服薬や外用薬を処方。 帯状疱疹の場合は神経に潜むウイルスに対して効果のあるお薬を処方。 水泡が瘡蓋になるまでは学校や幼稚園へ通うのは控えましょう。
こちらをご覧ください。
こちらをご覧ください。
口腔粘膜と手足に水泡ができる症状で、主に1~5歳の幼児を中心に診られるウイルス感染です。 夏季の流行が多いですが秋・冬頃にもみられます。
主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因と言われています。 潜伏期間は3~4日、主に手(特に親指)や足裏(土踏まずの症状は少ない)、その他手の甲や足の甲、肘、お尻、大腿に小さい紅斑ができます。米粒~豆粒位の水ぶくれにもなり38℃以下の発熱になる場合もあります。 口の中に水泡ができることもあり、ほとんどの方は3~7日で治癒します。
飛沫感染/接触感染/糞口感染(便と一緒に排泄されたウイルスが口に入って感染すること)
無菌性髄膜炎、脳炎、心筋炎、自然流産といった重篤な合併症を伴うこともあります。
塗り薬や飲み薬を処方させていただきます。
基本的には症状の軽い病気ですが、稀に髄膜炎や農園といった中枢神経系の合併症や心筋炎などが起こる場合があるため経過観察を行うことが必要です。下記症状がないかチェックしましょう。
手洗いを行い、タオルなどの共有は避けましょう 手足口病は大人にも感染します。接触感染を予防するために手洗いをしっかりと行ってください。
手足口病は症状が治った後も比較的長い期間便の中にもウイルスが排泄されます。 感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあります。 発病した人だけを隔離していても有効な感染対策にはならない為日頃から手洗いをして予防することが大切です。
皮膚糸状菌という菌による感染で生じる症状で、症状が出ている部位で 頭部白癬、体部白癬、股部白癬、足白癬、手白癬、爪白癬と呼称されています。 皮膚のかゆみや赤み、皮むけの症状が出ている場合症状によっては皮膚の検査を行わせていただくことがあります。 検査はその場で行いますので、すぐに結果がわかります。 白癬菌はヒトからヒトへの接触感染や、タオルやバスマットなどの共用しているものから間接的な感染、 飼っているペットなどの動物から感染することもあります。
頭部白癬:抗真菌薬の内服 頭部の清潔と乾燥を保ってください。
体部/足白癬:抗菌薬の塗り薬を処方
爪白癬:肝機能や腎機能に問題がなえれば3カ月内服で治療する方法もあります。この場合内服前、内服中に採血をします。内蔵機能の数値が芳しくない方は、塗り薬もあります。
カンジダは酵母用真菌で、80種類以上の菌種があるといわれています。 健康な人の糞便、膣、咽頭、口腔、皮膚に少数存在する常在菌です。 全身、あるいは局所的に増殖することがあり、病変として症状がでます。 カンジダの菌がいるかどうかは診察での顕微鏡検査を行うことで鑑別します。
カンジダの発症部によって名称も異なります。
指趾間に比較的境界明瞭な潮紅びらんを生じて痒みを伴います。指の間が常に湿った状態ですと感染しやすく、主に第3指間に好発します。水仕事をする主婦の方や炊事、掃除をする方に多いです。
皮膚が擦れる部分にできやすく、脇、乳房の下、陰部、肛門周囲などに生じることが多いです。 境界がはっきりした赤みやびらん、膿疱、フケの様な鱗屑、落屑などの症状があります。 小さな膿をもった膿疱ができることもあります。 皮膚の症状だけでなく、軽いかゆみや痛みといった自覚症状も出てくる場合もあります。 症状が進行すると皮膚のただれや他の細菌感染を引き起こすこともあります。
生後3~7カ月の乳児にできやすく、おむつかぶれや風邪などの症状で下痢が続いたり、アトピー性皮膚炎の家族歴があると皮膚のバリア機能が整っていないことなどが原因で症状がでることがあります。 陰部付近や臀部、肛門周囲に赤いぽつぽつとした発疹や、症状が酷くなるとただれを生じたり、真っ赤に腫れてジクジクすることもあります。
爪の根本が赤く腫れ、爪がデコボコしていたり、抑えると膿がでることもあります。その際痛みも伴います。 水仕事をする人の指先に診られることが多いです。爪の表面と後爪郭部の間に隙間ができて、その部分にカンジダが入り込むことで発症します。 感染した手のまま調理をすることで食中毒の原因になる可能性もあります。 湿り気のある部分に好発しやすいので、手に水分があるときはしっかりとふき取る必要があります。
上記とは違い、爪そのものにカンジダが寄生した症状です。 爪に住み着く菌では白癬菌が多いですが、その次に多い菌と言われています。 症状も爪白癬によく似ていて、爪の白濁や脆くなる事が症状として現れます。 長期のネイル装着や、水仕事などが発症の原因になることがあります。 また、自己免疫疾患の既往がある方はその症状に合併してできることがあります。
男性の口周り、顎部などにできやすい症状です。 毛ぞりなどが刺激となり、カンジダが寄生し尋常性毛瘡または白癬性毛瘡に似た症状になる事があるといわれています。
皮膚の表面にマラセチアという皮膚に常在している真菌が高温、発汗によって増殖することで症状がおこるといわれており、汗をかきやすい夏頃によく診られます。 痒みはなく、軽度のかさつきがあり、米粒大~母指くらいまでの境界のはっきりした円形の黄褐色、褐色などの色素班ができます。 好発部位は胸元や背中、腹部、脇などです。 時間経過で範囲が拡大することもあります。
菌に対して塗り薬を処方します。
また、皮膚の清潔を保つために汗を掻いたらシャワーを浴びたり、通気性のいい洋服を着用するなどして汗をかいても放置せず制汗剤などを使用しましょう。
マラセチアという真菌が汗や夏の湿気で増殖し、胸部、腕と背中の毛穴で炎症を起こす症状です。
症状としてはニキビに似ていますが、ニキビ用の抗生剤では改善せず抗真菌剤の外用が必要です。
症状の好発部位は胸元や背中、肩や上腕です。
一度治癒しても再発することが多いので通気性の良い服にするなど生活面で気を付ける必要があります。
抗生剤を処方します。
また、皮膚の清潔を保つために汗を掻いたらシャワーを浴びたり、通気性のいい洋服を着用するなどして汗をかいても放置せず制汗剤などを使用しましょう。